planetarian―ちいさなほしのゆめ(VA文庫)

Planetarian (VA文庫)

Planetarian (VA文庫)

 Keyの同名ノベルゲームの初回版に付いていた短篇集を、VA文庫から改めて書籍化。いわゆるスピンオフでなく完ッ全に本編に絡んでくる物語なので、むしろこの4編を含めて『planetarian』という作品と言った方が正しい。

 この短篇集を読むためにゲームをプレイしたのだが、さすがファンタジーノベル大賞作家、上手い文章とはこのように無駄がないものなのだな、と唸りました。近未来、戦争によって荒廃してしまった地球が舞台でガチガチのSF。分量も多くなく、読むのが早い人であれば1時間ほどで読了できるはず。

 後半の2篇。ゲームのその後「星の人」、更にその後の地球を叙情的に書いた「チルシスとアマント」。長い長い時間もついに終焉にむかう。しかしながら、そこに存在するチルシスとアマントの二人が、人間の優しさや思いを言葉で紡ぐ。言葉でしか紡げない。

 いいから読みなさい。この作品がいかに素晴らしく、いかに言葉にしにくいものなのかは読んで分かってください。

 パッケージ版もあるが、読むだけならDL販売の方が安価なので、そちらで購入する事をオススメする。

planetarian~ちいさなほしのゆめ~ 通常版

planetarian~ちいさなほしのゆめ~ 通常版